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2009年04月01日
理事長からのメッセージIndex

社会的責任を果たすために ― 理想と現実の狭間で ―

独立行政法人国立文化財機構理事長
佐々木 丞平

 本年4月1日より独立行政法人国立文化財機構は3年目に入りました。一部理事の入れ替えがありましたが、各博物館長、研究所長は再任となり、従来の体制で臨んでいくこととなりました。今までにも増して私共に課された使命を果たしていくべく最大限の努力をして参る所存でありますので、皆様のご支援をお願い致したく存じます。
 平成13年度に博物館、文化財研究所の法人化が進められ、更に平成19年度に法人見直しの結果として両者を統合した独立行政法人国立文化財機構が成立したわけですが、こうした独立行政法人の成立や見直しの過程は、国が大きな財政赤字を背負っているという現実の中で、どうすれば国の機関において無駄をなくし、効率化を進め少しでも財政負担が軽減できるかを国全体で考えるという大きな動きの中で進められてきたものであります。
 文化とは人間が幸せに生きる為の枠組み作り、ルール作りであろうと思われますが、私共の仕事が特に文化財行政の下支えをするという大きな使命を担っていると同時に、しっかりと社会が直面している現実をも見つめ、社会的責任を果たしていかなければなりません。我々文化に係わる仕事をしているものは、文化のあるべき姿としての理想を追い、夢を追いつつ、一方で現実を直視し、現実感をもって仕事に取り組む姿勢を崩すことは出来ないわけです。経済危機という大変な現実があるからこそ文化の香り豊かな理想と夢が享受できる場を提供出来るための最大限の努力をする。一方、その現実を直視さえしていれば、我々の社会的責任もより先鋭に認識せざるを得ないわけで、苦しいが、身を削ってでも社会の理想と夢に少しでも奉仕しようという大目標を持った時、自ずと限られたものの中でしなければならないものが見えてくるはずです。我々はこうした点をしっかりと認識し、心構えをもって今後も社会的責任を果たしていきたいと思います。皆様からの変わらぬご指導、ご鞭撻を心よりお願い申し上げます。

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